危険物の免状を受けて、実務で活用されている方は非常に多いと思いますが、危険物を実務で扱っている場合は、3年に1回、保安講習の受講義務が有ります。これが、うっかり受講を忘れてしまう場合が多いのです。
特に、危険物保安監督者が、消防検査等で、「保安講習はどうしたの?」と指摘されると減点されることも有り最悪です。
講習受講を忘れていた場合の対処など、ちょっとした知恵も記事にしていますので、是非最後まで読んでみてください。
危険物免状の保安講習や違反点について、是非知っておきたいことについて
危険物を扱っている場合、定期的に保安講習受講は義務
資格取得後、講習や免状写真の変更などが必要な場合が有ります。
代表的なものは自動車運転免許ですが、この資格は、定められた期間に更新手続きをしないと、失効になってしまいますから、かなり厳しいですね。
資格取得後の講習は大事なことですから、ビルメンが講習を受けなけらばならない資格について書きます。
ビルメン御用達の資格には、運転免許のように講習を受けないと免状が失効してしまう事はありませんが、実際に免状を使っていて、講習等を受けていない場合、免状の返納を命じられる場合があります。
返納などの場合、有る一定期間の受験資格がなくなったりなど、免状取得に制限が有る場合もありますので注意が必要です。
資格取得後、講習等の義務がないもの(ビルメン御用達資格で主なもの)
電気主任技術者(電験)、エネルギー管理士(エネ管)、冷凍機械(高圧ガス)、ボイラー技士、建築物環境衛生管理者(ビル管)、第2種電気工事士、認定電気工事士、衛生管理者、労働安全衛生法に基づく特別教育の修了証、特別管理産業廃棄物管理責任者などです。
免状を使用する場合、定期的に講習を受けなければならない資格
ビルメン関連資格で、免状を使用する場合、定期的に講習を受けなければならない資格は以下の通りです。
- 危険物取扱者
- 消防設備士
- 第一種電気工事士
- 消防設備点検資格者
- エネルギー管理員
ビルメン資格では、これらが講習受講が必要です。
特に危険物免状は、ビルメンにとってほぼ必須ですが、講習の受講をうっかり忘れやすい資格ナンバーワンでもありますから注意が必要です。
危険物取扱者保安講習
危険物取扱者保安講習の概要
ビルメンなど設備管理業務についている場合や、ガソリンスタンドで働いていて、実際に危険物を扱っている方は、定期的に『危険物取扱者保安講習』を受けなければなりません。
逆に、危険物取り扱いの業務に就いていない方は、受講する必要が有りません。
また、今まで危険物を扱っていなかったが、新たに危険物取り扱い業務に就いた場合、規定の期間内に保安講習を受ける必要が有ります。
危険物保安監督者になっている場合は、消防検査の立会い等で、危険物免状の提示を要求される場合がありますが、消防は必ず、免状の裏に記載された保安講習の受講状況を確認します。
万が一、有効期限が切れていた場合、消防法第13条の2第5項の規定により、免状の返納を命ぜらせることがあります。
危険物の講習の有効期限は、以前は免許取得日から起算して3年でしたが、現在は、年度単位に変更になっています。
これらも、定期的に保安講習を受けている場合、これらの法令改正点も教えてくれます。
受講対象者が保安講習を受講しないとどうなる
危険物免状の返納を命ぜらせることがあります。
つまり、運転免許と同様に、危険物免状も違反点が付きます。
20点の違反点に達すると返納命令が出ますので、危険物の取り扱いに従事する方や、保安監督者になっている方は必ず危険物保安講習会を受講してください。
危険物保安講習の受講対象者
危険物の免状を持っている方で、現在危険物の貯蔵・取扱作業に従事している方は受講義務があります。
保安監督者以外の方でも、危険物取扱に従事している方は、アルバイトなども含め、全員受講対象となります。
また、危険物の免状を持っていて、現在危険物取扱業務に従事していない方は受講義務は有りません。
希望者は受講しても構いませんが、危険物取扱者免状を交付されていない方は受講できません。
この危険物保安講習は、義務ですから、会社にキチンと申請すれば、講習費用や講習日は出勤扱いまたは出張扱いにしてもらえる場合が殆どです。
ガソリンシタンドのアルバイトの場合でも、講習の際に費用不負担について、店長などに相談すると良いでしょう。
講習は、3時間ですから、半日で終わります。費用は4,700円です。
保安講習の受講期限について
平成24年4月1日から保安講習の受講期限が次のとおり改正されました。
危険物取扱者の受講義務
化学工場やガソリンスタンドなどで、危険物の取り扱い作業に従事している危険物取扱者は、危険物の取り扱い作業の保安に関する新しい知識、技能の習得のため、定められた期間内ごとに、都道府県知事が行う講習を受けなければなりません。
【危険物保安講習の受講期限まとめ】
◎継続して危険物の取扱作業に従事している場合
講習を受講した日以後における最初の4月1日から3年以内に受講する。
◎新たに危険物の取扱作業に従事する場合
新たに危険物の取扱作業に従事することになった場合は、その日から1年以内に受講する。
◎新たに危険物の取扱作業に従事する場合で、過去2年以内に危険物取扱者免状の交付又は講習を受けている方
免状交付日又は講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内に受講する。
◎危険物取扱作業に従事しなくなった場合、または危険物の取扱業務に従事していない方
受講する義務はありません。(※危険物免状の特徴です)
危険物を扱う業務では、3年ごとに受講が必要
簡単に言うと、新たに危険物取り扱い作業に従事した場合は、その日から1年以内に受講し、その後、3年毎に受講するという事です。
受講は年度ごとですから、『今年度は受講が必要な年度』になった場合、その年度中(4月1日から、翌年3月31日)に受講する必要があります。
また、「危険物 講習」で検索すると、危険物試験受験のための準備講習会が上位に出てきますが、それは、危険物試験の受験対策の講習会ですから、危険物保安講習会と間違えて申し込まないよう注意しましょう。
危険物免状の保安講習や違反点について、知っておきたいこと、違反点数
危険物免状に違反点数があるって知ってますか?
危険物取扱者や消防設備士が違反行為をした場合は違反点が付きます。
違反点については、危険物試験や消防設備士の試験には出ないので、知らない方も多いようです。
危険物取扱者の違反点数はどんな場合に、何点加算されるのでしょうか。
違反点数と算出方法などについて(危険物取扱者の場合)説明します。
危険物免状の違反点数とは
危険物取扱者の違反行為に対する算定の仕方は、違反行為の種類で異なります。
自動車免許でおなじみの違反点ですが、危険物取扱者は消防法に基づいて、違反行為それぞれに点数が決められています。
違反行為をくり返した場合、違反点数が加算されて行きます。
危険物取扱者保安講習未受講は4点と比較的軽いのですが、繰り返すことで返納命令が出る事態になります。
主な違反行為は危険物取扱者保安講習の未受講をはじめ、かなりの項目がありますので、注意が必要です。
また、危険物取扱者本人でなく、事業所が違反をしている場合も、減点対象になります。
実際に、危険物を多く買いすぎた場合や、廃油を処分しないで溜込んだ場合、指定数量違反になっていたなんてことは結構あるのです。
違反で免状返納命令が下されるとき
違反点数を累積して点数を算定し、当該違反の点数が20点に達したときは免状返納命令が下されます。
免状返納命令が出た場合、速やかに返納処理の手続きを行わなければなりません。
ちなみに、違反行為のなされた日を起算日として、過去3年以内における、違反行為の違反点数を算定します。
大きな事故の場合
また、大きな事故が発生した場合も付加点数が算定されますが、事故の付加点数は、「事故の程度」と「人身事故の程度」によります。
※死亡事故は一発で違反点20点ですから、免状返納になります。
危険物取扱者が違反した場合の経過について
措置の対象となる違反事案が発生したときは、市町村長が危険物取扱者違反処理報告書を作成し、都道府県知事に報告し、当該違反者に対しては、違反事項通知書を送達されることになります。
危険物免状の保安講習や違反点について、知っておきたいこと、消防設備士の保安講習
消防設備士の免状を保有していれば、講習受講は義務って知ってますか?
消防設備士の保安講習について、こんな通達が出ています。
消防設備士の保安講習の概要
消防設備士は、都道府県知事が行う消防用設備等の工事又は整備に関する講習を定期的に受けなければならないとされています。
つまり、消防用設備等の点検、工事などの業務に従事しているか否かにかかわらず、定期的に講習を受講する必要があるという、厳しい内容となっています。
消防設備士免状を所有していも知らない方が居ますので、もし受講されていない方は、速やかに受講してください。
要は、消防設備士を持っていたら、業務に従事しているいないに拘わらず、定期的に講習受けください!ということです。
消防設備士の講習の受講は、免状受けて最初は2年以内、次からは、5年以内に定期的に受講しなければならないことになっています。
講習受けなかった場合は、違反点が加算されるが、返納命令が出る点数までは届きません。
消防設備士講習の講習をずっと受けなかった場合
消防設備士講習の義務違反は5点ですが、これに関して補足が示されています。
補足を簡単に説明すると、5年間ずっと講習を受けてない場合は、毎年違反点5点が発生します!と言うことです。
ただ、集計は3年間の累計ですから、他に違反がなければ、累積違反点は15点に張り付いている状態ということです。
つまり20点に届くことはないので、返納命令がでることは実際には有りません。
※とはいえ、違反ですから受講をお勧めします。
消防設備士講習の種類と、それに該当する消防設備士の免状の種類
消防設備士の講習は、『特殊消防設備』『消火設備』『警報設備』『避難設備・消火器』の4つがあって、沢山の類の免状を持ってると、すべて受講する必要が有るのがポイントです。
消防設備士の講習は、危険物の1種類と違って、以下の区分がありますので注意が必要です。
【消防設備士の分類】
- 特殊消防設備:甲種特類
- 消火設備:甲種第1類・第2類・第3類 /乙種 第1類・第2類・第3類
- 警報設備:甲種第4類 /乙種第4類・第7類
- 避難設備・消火器:甲種第5類 /乙種第5類・第6類
甲種の講習は、それぞれの区分毎に1日、費用は区分ごとに7,000円です。
危険物免状の保安講習や違反点について、知っておきたいこと、第一種電気工事士
第一種電気工事士も、免状を持っているだけで定期講習の受講が義務
第一種電気工事士の方は、電気工事士法の規定により、第一種電気工事士免状の交付を受けた日、又は前回に定期講習を受けた日から5年以内ごとに、指定を受けた講習機関が実施する定期講習を受講することが義務づけられています。
講習は1日で、Web上でも受講できます。費用は9,000円です。
期限内(免状の交付日又は定期講習の受講日より5年以内)に受講しない場合は【違法】となり、電気工事士法の規定により、第一種電気工事士免状の返納を命ぜられることがあります。
また、第二種電気工事は、講習は有りません。
その場合は第一種電気工事士にかかる範囲の電気工事はできなくなります。
講習会の受講が必要な資格をとったら、忘れないようにしましょう。
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危険物免状の保安講習や違反点について、知っておきたいこと、講習切れの対応
抜き打ちの消防検査が入った
私も、危険物の保安監督者を兼務していましたが、消防からの抜き打ち検査が入りました。
3年位、私の事業所に来ていないので検査を実施したいとのこと。
危険物の管理はキチンと行き届いておりましたので、消防検査は大きな指摘もなく順調に進んで、無事終了を迎える雰囲気でした。
クローズドミーティング(講評など)の時点で、消防の方から、「ちょっと保安監督者の危険物の免状を見せてください!」と言われたのです。
私は、はっとしました。写真は10年更新で、今は問題ないはずですが、危険物保安講習の受講が、3年前だったのです。
詰め寄る消防の立ち合い官
幸いなことに、講習が有効な3年間は、年度末の3月31日まで有効ですから、まだ有効であったのです。
「今年度末で、講習の有効期限が切れますが、大丈夫ですか?」とつけ寄る消防の立ち合い官、私も必死ですから、「きちんと年度内に講習を受講予定です!」と言って頑張りました。
おそらく1月末頃だったと思いますが、既に地元や近県の年度内の講習会は終わっていて申し込めません。
でも、全国を探せば、きっとどこかで講習会がやっているはずです。
そして、何と、鹿児島県まで飛行機で飛んで、1泊しての危険物保安講習を受講して、無事期限内の講習受講が出来たのです。
この時、実は申し込み期限はもう過ぎていたのですが、係の方に電話で相談したところ、申込書の日付を「期限内」にして申請書を提出すれば、今からでも受講可能という裏技まで教えてもらい、無事に講習の受講が出来たのです。
年度末は、この講習の受講をうっかり忘れていることに気が付いて、駆け込む方が多いための措置なのでしょう。
後日、免状の裏に講習修了印を貰って、消防署へ
念のため、消防立会検査を実施した消防署に、年度内の危険物の講習修了の報告に行きましたが、「期限は切れてなかったので問題はなかったですよ!」と言われ、安心しましたが、あと1年遅かったら、非常にまずい事になったと思うとぞっとします。
3年過ぎていた場合、全国で講習会を探し、最速で受講すべき
保安講習の有効期限が過ぎていても、全国の講習会で最も最速で受講できる講習を探して申し込んで、速やかに受講することです。
そして、消防指摘を受けた場合などは、受講後、例えば「北海道まで行って受講しました」等々、速やかに報告すれば、私の知る範囲では、「おとがめなし」になっています。
また、違反点数の加算もされていませんでした。
私も長年設備管理をやっていますが、この危険物の保安講習の有効期限が切れていることに気が付いた場合は、会社に事情を話し、最短で受講できる会場を全国で探して、急ぎ受講をすることで、疑惑の期間についても、消防立会検査などでも不問となっています。
とにかく受講することが大事なのです。
持っていない危険物の類の資格を新規に取得するのも一つの方法なのですが、甲種危険物取扱者を持っていると、受験する種類が有りませんし、試験を受けるより、講習を受けてしまった方が、(講習費や宿泊費はかかりますが)早く対策が完了します。
危険物免状の保安講習や違反点について、知っておきたいこと まとめ
危険物免状などには、自動車運転免許同様に、保安講習や違反点制度が有るのは意外と知られていません。
特に違反点数については、なぜか試験のも出ないのが不思議です。
万が一忘れていたら、全国を探せば、どこかで講習会はやっているはずですので、遠くても申し込みましょう。
簡単に、各資格の保安講習や違反点についてまとめました。
危険物取扱者
- 危険物取り扱い作業に従事した場合は、その日から1年以内に受講し、その後、3年毎に受講する
- 危険物取り扱い作業に従事しない場合は、受講が不要
消防設備士
- 業務に従事している、いないに拘わらず、免状受けて最初は2年以内、次からは、5年以内に定期的に受講しなければならない。
- 持っている類により、複数受講する必要がある
第一種電気工事士
- 第一種電気工事士免状の交付を受けた日又は前回に定期講習を受けた日から、5年以内ごとに定期講習を受講することが義務
最後まで読んで頂いてありがとうございました。