電気主任技術者の認定でも免状取得で、悩んで居ませんか?この記事では、電気主任技術者の認定に必要なポイントを記事にしています。
これらは、約20年間、現役の電気主任技術者である当サイト管理人が、実際に電験の認定についてお手伝いをさせていただいた体験の記事です。
経済産業省の資料では、イマイチ判らないに電験認定の実態について記事にしています。
是非読んでいただき、スムーズな電験の認定を所得されることを期待します。

資格試験は重荷を背負うて 遠き道を行くが如し
電気主任技術者認定に必要な実務経験年数について
電気ちゅにん技術者になる方法として、国家試験以外に、経済産業省の認定で免状を受ける方法が有ります。
現役の電気主任技術者を20年近くやって居ますと、保全会社等から、「電験認定」についての相談や認定書類のお手伝いをさせていただく場合が多々あります。
したがって、電験の認定制度により資格を取得した方や、断念した方も沢山見てきました。
また、保全業者からの「電験認定の実務経歴書」の申請書も、事業所代表印の窓口として書類を受け取りますが、この認定制度にも人生劇場が有ります。
電験の認定制度
電験(電気主任技術者)の資格取得には、国家試験で合格する以外に、経済産業初による「認定制度」により資格取得することが出来ます。
電験2種の場合、90%以上が、この認定制度での資格取得で、国家試験合格者は非常に少ないのです。
認定に必要な指定校や実務経験年数について
電験の認定を受けるための記事では有りませんので、ざっくりと電験認定の条件に付いて説明します。
学歴や電気設備の保安・管理業務実務経験
学歴によって制限があり、また大学等はどこでも良いわけではなく、経済産業省の指定校を卒業していること、必要な単位を履修している事など細かい条件が有ります。
学歴・資格 | 実務経験年数 | ||
---|---|---|---|
電験3種の認定 | 電験2種の認定 | 電験1種の認定 | |
大学卒 | 1年以上 | 3年以上 | 5年以上 |
短大又は高専卒 | 2年以上 | 5年以上 | 認定取得不可 |
高校卒 | 3年以上 | 認定取得不可 | 認定取得不可 |
保有免状 | なし | 電験3種免状の取得後5年以上※ | 電験2種免状の取得後5年以上 |
※この表では、電験2種の認定には電験3種免状が必要に見えますが、いきなり2種申請で取得されている方も私の知人に居ます。
この実務経験の内容が曲者で、経験年数に算出されない業務が有ります。
その他、扱っている電圧の制限も有りますが、電験2種以上では、特高の経験が必要です。
詳しくは経済産業省HPを参照ください。
認定申請の書類作成
電気主任技術者の申請に必要な書類作成
自分の事業所の電気の単線結線図等、書類作成が大変です、また、電気主任技術者(氏名、電験の種類、免状番号)の指導のもと、など細かく電気設備保全等の内容について記載しなければなりません。
特に大きな現場での3種認定の添付資料は、ほぼすべての単線結線図を必要としますので、膨大な量になります。
(2種、1種は、特高部分だけの単線結線図で良い場合が多いそうですが、詳しくは所轄の担当者に確認しましょう)
同じ職場の先輩に認定取得者が居ればラッキーです。ほぼすべてコピペできます。
実務経験としてカウントされない場合が有る
法的には3年とか5年で、これを満足していると書類を提出しても、実務経験が不足していると判断され、書類を受理してもらえない場合が有ります。1日中保全作業をしていないと判断され、必要な経験年数に届いていない場合がそうです。
(例えば管理職の場合など、別途、電気以外の管理業務等をしているのでは?などです)
現実的には、倍くらいの実務経験年数が必要ではないかと感じています。
電験認定の説明会に参加しないといけない場合がある
この時は、担当者の方から、「個別に相談を受けますが、希望する方は居ますか?」と聞かれるそうなので、必ず手を上げて、個別相談を受けないといけない場合も有るようです。
もちろん説明会には、提出予定の書類一式の持参が必要です。
書類の事前確認で何度も修正
電験認定の本申請の前に、事前確認が必要ですが、1回目は大抵はダメ出しされます。
急ぎ修正し、再度事前確認を依頼すると、なんと、前回の担当者と別の方の確認で、再指摘を受けるなど、私が見た範囲では笑っちゃうようなことが起きます。
認定面談の予約が必要
地域にもよりますが、所轄の経済産業省との面談(事前の書類確認)の予約が、私が見てきた範囲では3~6か月待たされる場合が有ります。

電気主任技術者の活躍の場は無限
認定の面談
面談は大体3~4回が平均的
面談1回で受理される例はほとんどないようです。私が見てきた範囲では、だいたい3回か4回は面談を受けています。
かなりの根性が必要ですが、この間、試験を受けることをお勧めしているのですが、そうする方は、私の場合居ませんでした。
経済産業省担当者の質問にスラスラ解答する
面談で、面談の担当官からの質問には、正しい答えをスラスラと返答出来るレベルの実力が必要です。
緊張して、しどろもどろになってしまい、「次にもう一回来てください」と言われる場合も有るようです。
これも、担当者にもよりますが、予想が付きませんが、実際に聞かれた質問がネットの掲示板で上がっていますので、片っ端から読んで面談に向かいましょう。
質問で多いと言われるのが、自分の事業所の保護協調に関する事、不具合事例の対策方法、電験の国家試験受験の経験や結果等がありますが、何を質問されるかは、担当者次第です。
少なくとも、自分が担当する事業所の単線結線図は、何も見ないで書けるくらい頭に入れておく必要が有ります。
また、担当官から「保護協調の時間設定は、あなたが決めているのですね?」などカマを掛けられる場合が有ります。
うっかり「はい」と答えてはいけません。
「保護協調の時間設定は、当事業所では電気主任技術者と電力会社に相談して決めています。基本的に下流から作動するように設定しています。具体的な時間は・・・」とスラスラと答えれば、大丈夫ではないでしょうか。
認定までの期間
電験免状の認定取得は、条件が厳しく、思っているより困難なのです。
また、面談などの予約が数か月先になり、複数回の面談が必要なことから、場合によっては2年ほどかかる場合が有ります。
私が、設備保全会社から預かって、事業所印を押した電験認定関連書類で、無事認定を取得した方は2~3割くらいでしょうか。
認定よりも国家試験で電験免状をさっさと取得したほうが遥かに楽だと私は思いますが、この認定取得にチャレンジする方は後を絶ちませんが、認定も玉砕組が多数いるのも現実です。
全ての条件を満たしても、電験に認定されない方が(かなり)居るのが事実なのです。
電気主任技術者認定に必要な実務経験年数の例外事例
電験の認定は、認定校での学歴、電気保安の実務経験、申請書作成、担当官との面談などクリアする項目が多く、かなり大変ですが、特に面談が参観です。この面談を一発でクリアした方の実話を紹介します。
面談を一発クリアした方の事例
これは、20年近くこの業界に居た私が見た、いきなり電験2種認定を一発で受理され、免状取得後にとっとと転職した方の例を紹介です。
電験認定制度の申請書の実務経歴書には、会社や理事長印当の代表印を押します。(工場長印などは印象が悪いです)
この場合、例え超大会社の社長印や独法や国立の機関、行政の長の印であっても、審査は経済産業省ですから全く関係有りません。
しかし、別省庁のバカでかい大臣印が押してあるとどうでしょう?
経済産業省の担当者が、例えば「内閣府」等、別省庁の大臣印を見た場合、法的に書類に何の不備もなければ、忖度されることも想定できます。
私の知人に、ビルメンとして、たまたま公的機関の建物の設備管理をしており、勤務先に取り入って、電験認定の実務経歴書の証明者として大臣印を取得できた結果、一発認定という結果を得たのです。
面談の際、「質問?なかったよ!」だそうです。まさに作戦勝ちともいえるかもしれません。
簡単にはできない方法ですが、私の20年の設備管理人生で、たった1度だけ見た驚きの出来事です。

資格試験は重荷を背負うて 遠き道を行くが如し
電験認定が否認されたら
電験認定が否認される方も居ますが、大体は、経験年数が足りないと判断されています。
数年後、十分な実務経験年数になったと気に、また認定申請をしますが、その期間について、私はそんな方には、国家試験受験を勧めています。
しかし、なんと、未だかつて認定に否認されて、国家試験で見事合格してリベンジした知人は一人も居ません。
私の周りだけたまたまそうだった可能性も有りますが、本当に不思議な現象です。
電気主任技術者が会社経営者に不評な理由
実は、電気主任技術者が、会社経営者にとって不評な場合が有ります。
高給である
まずは高給ですが、これは仕方ないと考えているようです。何せ人が居ないのですから。
中高年が多い
会社経営者は、若い方を望みますが、電験の求人への応募は、中高年が多いです。これも耳が痛いですね。
すぐに転職してしまう
次に、電験2種の認定を取ると、他に良い条件が有れば、さっさと転職してしまうことです。
本来、電験の認定制度は、電気主任技術者が居ない等の救済措置であって、その事業所に適用するべきなのが本来の目的ですが、法律には、「その事業所のみ有効」という制限はないのです。
これは、認定取得後に転職してしまうことを想定していない結果ですが、実際には認定取得直後に転職してしまう方のなんと多い事か。
これが、会社経営者陣が感じている、『認定を取らせてあげたのに!あっさり裏切る』と感じる、電気主任技術者への不信感の代表例です。
したがって、電気主任技術者の好条件の求人には、『国家試験合格者』と内々に求めている場合が有るのです。
試験に努力して電験の資格を取った方と、認定を貰ったにも関わらず、裏切って転職する方のどちらかを選ぶ場合、あなたならどちらを採用するでしょうか?
電験持ちは威張る
電験の資格を持っていると、変に威張る方が居ることです。
まともに頑張っている電気主任技術者が大半ですが、少数の方のおかしな行動が、会社経営者の心証を悪くしているのも事実ではないでしょうか。
電気主任技術者に必要な実務経験年数のまとめ
電験の国家試験は難しいから、認定で取りましょう!と言われますが、指定校の卒業、大変な書類作成の手間、長い実務経験年数、担当官との面談対策など、電験認定は実はかなり大変なのです。
電験の国家試験なら、誰でも受験できますし、学歴も実務経験も面談もなく電験の免状を手にし、人生を変えることが出来るのです。
電気の初学者でも、たった1-2年の学習で合格できる試験ですから、是非国家試験で電験免状の取得も検討してみてください。
また、電験の免状で、国家試験取得か認定であるかが簡単に判別出来てしましますので、是非、国家試験合格者の印、「E」が入った電験免状の取得にチャレンジして欲しいです。
※このE免状は、転職等の際、特別な効果が有りますが、この記事では詳細は書きません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。