ビルメン4点セットの一つ、冷凍機械責任者の資格ですが、通常は第三種から受験してステップアップするのが、ビルメンの世界では「常識」とされています。
しかし、それは、ビルメンでは、二令が「難関試験」とされており、一令は「一令様」と呼ばれるおかしな常識が有るからです。
私がお勧めするのは、三令を飛ばして、二令か一令から受験することをお勧めします。
というのは、三令と二令との難易度の差は僅かですし、学習するなら2令の方が遥かに役に立ちます。
また、一令は、計算問題などが筆記試験になりますが、冷凍試験の計算問題は万年お決まりのワンパターンですので、恐れる必要は有りませんし、突飛な出題など有りませんから、過去問も5年分で十分です。
一令の場合は、事前に手書きの解答を書く訓練しておけば、60点は実にたやすいと言えますし、計算問題は、逆に満点も簡単に狙えます。
また冷凍機械の計算問題は、微分積分や三角関数なども全くなく、いくつかの公式さえしっかり覚えておけば、四則演算だけ、つまり小学生でも解けるレベルなのですが、なぜかビルメンの方々には「一令様」と呼ばれてしまう不思議な資格なのです。
電験と比較すると(かなり無理が有りますが、あえて比較するなら)、冷凍1種で、電験4種、いや電験5種と言ったレベルではないでしょうか。
ただし、冷凍機械の計算問題は簡単なのですが、実は、冷凍理論と高圧ガス関連の法規の方が難解なのです。
つまり、この判りにくい冷凍理論と、解釈が複雑な高圧ガス関連の法令をしっかり学ぶことが冷凍試験の攻略法なのです。
冷凍機械の資格取得を検討されている方は、是非記事を読んでいただき、受験するレベルを決めると良いかと思います。
ビルメン4点セットの一つ、冷凍機械責任者はいきなり1令受験も有りについて

冷凍機械は主に冷水を作る装置
冷凍機械の免許とは
冷凍機械資格の概要
⑦第一種冷凍機械責任者免状:
主に大型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造(冷凍)に係る保安の実務を含む統括的な業務を行う方に必要な資格で、全ての冷凍(1日の冷凍能力に制限はありません。)の製造施設に関する保安(冷媒ガスの種類の制限はありません。以下第二種冷凍機械責任者免状・第三種冷凍機械責任者免状においても同じです。)に携わることができます。⑧第二種冷凍機械責任者免状:
主に中型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造(冷凍)に係る保安の実務を含む統括的な業務を行う方に必要な資格で、1日の冷凍能力が300トン未満の製造施設に関する保安に携わることができます。⑨第三種冷凍機械責任者免状:
主に小型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造(冷凍)に係る保安の実務を含む統括的な業務を行う方に必要な資格で、1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設に関する保安に携わることができます。出典: www.khk.or.jp
冷凍機械とはどんな設備
冷凍機械は、食品や医薬品などの温度を低く保つことによって、保存期間を長くするために使用される機械です。冷凍機械には、様々なタイプがあり、大きく分けると、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫、冷凍機、冷凍乾燥機などがあります。
冷蔵庫は、一般的な家庭で使用される冷凍機械で、冷房によって食品や飲料を保存するために使用されます。
冷凍庫は、温度を低く保つことによって、食品を冷凍し保存するために使用されます。
冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫と冷凍庫が一体化した機械で、冷蔵庫と冷凍庫の両方の機能を持ち、冷蔵庫と冷凍庫の両方で使用することができます。
冷凍機は、工業用に使用される機械で、冷却によって物質を冷凍するために使用されます。
冷凍乾燥機は、冷凍技術を使用して乾燥を行う機械で、食品や医薬品などを長期保存するために使用されます。
ビルメンが扱う冷凍機械は多岐に渡っており、研究施設中などには、3段冷凍装置などがあり、特殊な冷媒を使ってマイナス数十度を作り出す装置も有りますが、大半は空調用です。
ビルメンが扱う通常の冷凍機は、空調機(現場ではエアハンと呼ばれます/エアハンドリングユニットの略)に冷水を送り込んで空気を冷却することで冷房をするため装置が主ですが、試験は特殊な装置も出題されますからきちんと学習しておきましょう。
空調用の冷凍機は、各部屋ごとに設置する個別のエアコンでは冷やしきれないような、大規模な空調をする場合に利用されますので、まさにビルメンの仕事になっています。
また、地域冷暖房会社では、電気・ガス・水道同様に、蒸気や温水・冷水をパイプで送っている事業も有りますが、このような場合に使用される冷凍機械は、大きな冷凍能力が必要であることから、主にターボ冷凍機が使用されます。
近年は資格が必要なターボ冷凍機に代わって、冷凍資格が不要な吸収式冷凍機が広く使われています。
吸収式冷凍機は扱いに関して特別な資格は要りませんが、ビルメンで有れば是非取っておきたい資格です。
ビルメンでこの資格があれば、かなり大規模な施設の冷凍機械の保安責任者に慣れる可能性も有ります。
資格試験には必須、過去問題集(1・2種冷凍機械)
資格試験には必須、過去問題集(3種冷凍機械)
冷凍機械責任者の資格

冷凍機械の資格
冷凍機械責任者の資格の種類
冷凍機械責任者の資格は、第一種・第二種・第三種の3種類あります。それぞれには以下のとおり、冷凍保安責任者となれる冷凍能力に違いがあります。
資格別の冷凍設備の保安責任者になれる規模
(運転できる規模ではないことに注意)
- 第一種:制限なし
- 第二種:1日の冷凍能力が300トン未満の冷凍施設
- 第三種:1日の冷凍能力が100トン未満の冷凍施設
なかでも、第三種冷凍機械責任者の資格は、ビルメン4点セットに含まれており、資格手当の対象にもなりますので、ぜひ取っておきたい資格です。
冷凍機械も、ボイラー同様、保安責任者の選任や年次の性能検査があります。
冷凍機の運転実務は簡単な作業ですし、現在はハイテク化が進んでタッチパネルでの操作が主です。
これらの実務は現場で覚えれば十分です。
冷凍機械の資格は誰でも受験可能
冷凍機械の試験は私でも受験できます。
冷凍機械の資格は、3種類ありますのが、第3種は比較的取りやすく、第2種も持っていると、ビルメン業界では自慢できます。
第1種は、やや難関で、持っていると先ほどの『一令様』と呼ばれるわけです。
冷凍機械責任者の取得方法は2つ
ビルメンなら、国家試験が良い
資格取得には、『国家試験』と『講習+法規のみ国家試験を受験』の2通りが有ります。
ビルメンなら、国家試験一択です。1日で済みますし、費用も安く済みますが、合格率は20~30%です。
法令のみの試験で、合格率はおよそ70~80%です。講習料は、種類によって違いますが、20,000円~30,000円ほどです。
講習は、いずれも3日間で、かつ終了時に検定試験に合格しないと、国家試験の科目免除が受けられません。
がっつり講習に集中する必要があります。
講習修了者は、国家試験で法規だけ受験して、合格すれば、免状を得ることができます。
国家試験同様、検定試験合格のためには、しっかり勉強する必要があります。
冷凍試験の詳細

冷凍機械の国家試験について
冷凍試験2種、3種はマークシート方式だが、第1種は記述式であることに注意
冷凍機械の試験は、第2種、第3種はマークシートですが、第1種は記述式が加わります。
第1種だけ、特に敷居が高い印象です。
第1種の免状は、二つ折りの小さな免状に、でっかい大臣印鑑が押してありました。
学識の計算問題には、ずを掛けることが大事です
難解な冷凍理論はしっかり学習しましょう
冷凍の試験問題は、出る範囲がはっきりしていて傾向がつかみやすい
冷凍試験は、一見非常に難しく見えますが出題パターンが決まっています。
これは過去問で確認すると良いのですが、各大問の出題範囲と内容は『ある程度決まっている』ことです。
具体的には、1問目は冷凍機の概論関連の穴埋め問題、2問目は、筐体の強度計算…などです。
つまり、どんな問題が出題されるかわからない試験と比べて、対策がしやすいってことです。
冷凍試験の勉強法

聞いたこともない冷凍理論、頑張れ
冷凍試験の計算問題は、公式さえ覚えれば高度な数学はいらない
冷凍3種だけなら過去問5年分を丸暗記で合格できるかもしれませんが、上位の冷凍2種や冷凍1種を目指す場合、丸暗記ではつまずくことが多いでしょう。
聞いたこともない難解な冷凍理論があり、初めて見る計算問題があるからです。
冷凍理論は過去問の解説を読んでも良くわかりませんので、通信教育などで基礎から学ぶことをお勧めします。
冷凍機械の試験に出てくる強度計算等は、私も全く知らないことばかりでいくつか公式を覚える必要があり、私も苦労しました。
内径と外形で引っ掛け問題も有りますが、大問丸ごと落とすような目新しい問題は出ませんので安心してください。
難解な冷凍理論、とにかく繰り返すことが大事
冷凍機械の試験で難解なのが、冷凍理論です。
冷凍理論は、物質が温度を下げて固体になる過程を説明する理論です。冷凍には、液体から固体への状態変化が起こります。この状態変化は、液体中の水分子が温度を下げることで、固体状態になるときに発生します。
冷凍理論には、様々な要素が組み込まれており、例えば結晶化、溶解度、結晶学、溶質の溶解度などがあります。冷凍理論は、冷凍による物質の状態変化を理解するために重要であり、工業や食品工学、医薬品工学などにおいて広く使用されています。
冷凍理論は初めて学ぶ場合が多く、膨張弁とか2段冷凍など聞いたことが無い単語が沢山出てきます。
私もさっぱりわからないのですが、何度も何度も問題を繰り返して学びました。
冷凍理論は、しっかり学習すれば冷凍の上位資格(2令、1令)の受験に大いに役立ちます。
始めに冷凍理論を学んだうえで、5年分とか10年分の過去問をみっちりやって、すべての問題が解ければ大丈夫です。
公益社団法人日本冷凍空調学会のテキストから出題される
公益社団法人日本冷凍空調学会のテキストの冷凍理論の解説は非常に優秀ですし、サイトから直接図書を購入できます。
また冷凍理論は冷凍機試験によく出題されます。
協会本はかなり難しいですが、マスターすれば一令三令も関係なく楽勝です。
逆い言えば、ビルメンがこの資格が難しいという理由は、この冷凍理論がさっぱりわかっていないことに原因が有ります。
空調学会の本を何度も読んで、冷凍理論をしっかり理解してしまえば、計算問題はワンパターンの出題ですし、法令は過去問をしっかり繰り返しておけば、攻略が見えてきます。
1令は講習会に参加する方が多いのですが最後に行われる検定試験は、国家試験とほぼ同じ
1令の場合ですが、講習会の検定試験問題が販売されていたので、試験前にやってみたのですが、計算問題は、国家試験より少々易しい感じがしました。
計算に必要なパラメータはすべて与えられている感じです。国家試験では、1つ必要なパラメータが足りないため、一旦、足りない値を計算してから、本計算に入る感じです。
冷凍試験の検定試験をなめてかかるとひどい目に合う受講生も居るようです。
法令の試験は冷凍試験は高圧ガス保安法に基づき出題されるがこれが難解
冷凍機械は、高圧ガス製造保安責任者(第3種冷凍機械)という名称ですので、高圧ガス保安法に関する法令のうち、冷凍に関する部分が出題されますが、これがかなり難解です。
冷凍を含む高圧ガスの法令は、弁護士でも解釈に苦しむほど複雑で難解と言われています。
高圧ガス保安法と特徴として、『例外』が多く、例外の中にも更に『例外』が有るためです。
技術の進歩とともに、法令が改正されてきたためかと思いますが、冷凍の試験に出る法令の範囲は限られていますので、じっくりと法令を読んで理解しながら進めると良いでしょう。
冷凍3種から始めると勉強しやすい
冷凍3種だけで有れば、過去問を念入りにやれば突破は可能ですが、合格後は更に上位資格を目指すと良いです。
ビルメンで、冷凍2種を持つことは大いに意義があります。現場の責任者に慣れる可能性も有るのが冷凍2種の資格です。
更に冷凍1種は、ビルメンの方から『一令様』と呼ばれてしまう資格です。試験科目の学識は、過去問をしっかりやっておけば大丈夫でしょう。
私はいきなり冷凍1種を受験して1発合格しましたから、しっかり学習できる方は、いきなり1令の受験も大いに有りです。
冷凍機械の資格は、ビルメンにとって必須資格であると共に、ほぼ資格手当がつくはずですが、上位資格ほど金額が上がるはずです。年収UPのためにも、ステップアップのチャレンジすると良いでしょう。
試験会場について
私が受験した1令の試験会場は、受験資格が特にないことから、大学生風~30代くらいまでの若い男性が多かった感じです。
若い女性も1割くらい居たかとおもいますが、私はちょっと場違いな感じでした。
ビルメン4点セットの一つ、冷凍機械責任者はいきなり1令受験も有り、どこで役に立つ?
せっかくとった冷凍資格ですが、大きな事業所以外では冷凍免許が不要な吸収式冷凍機を使っている現場が多く、冷凍の免許は全く不要な場合が多いです。
また保安責任者は、オーナー側の社員が選任されている場合が多く、ビルメンで選任されることはあまりない様です。
とはいえ、ビルメンのたしなみと言うことで、冷凍免許が必要なのです。
ビルメンの資格手当は、毎月支給されますので、資格が不要でも取得することをお勧めします。
また、現場の移動の際にも、昇給などが有る場合が有りますし、転職の際にも有利になります。
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ビルメン4点セットの一つ、冷凍機械責任者はいきなり1令受験も有り!のまとめ
冷凍試験は、冷凍理論と法令をしっかり学べは、合格に近づきますので、難解では有りますが、きちんと理解しましょう。
冷凍機械を取得するメリット等をまとめておきます。
- 冷凍機械責任者の資格は、第一種・第二種・第三種とありますが、一般的には、まず第三種冷凍機械責任者(三令)から受験していくのが一般的ですが、いきなり第1種(一令)から受験もOKです
- 冷凍理論や強度計算、難解な法令がありますが、計算問題はほぼワンパターンです
- 冷凍理論を基礎から丁寧に学ぶことが必要です
- 法令は、高圧ガス関連の法令になりますから、例外が多く難解です。出題範囲についてしっかり学習しましょう
- ビルメンの世界では、2令が有れば神扱いですが、この資格は冷凍理論を理解しないと合格は無理です
- 冷凍の資格が不要な現場でも、取得しておくと現場移動や転職に有利です
最後まで読んで頂いてありがとうございました。